いだいら観音の里の「
夕やけ 小やけ」の様子です。台風12号がもたらした嵐が
去った後、気持ちが良い秋風と共に、夕暮れに、美しい「夕やけ 小やけ」が見られるようになりました。仕事が終わり、帰り際に、ふと足を止めてこんな景色を眺めていると
正岡子規の俳句が、浮かんまいりました。
「
柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
という歌です。私にとっての柿は、幼い頃、家の前に植えてあった柿木に登って、素手でもぎ取り、皮もむかずに、頬張った柿です。その柿の甘さと、夕やけが、妙に重なります。そして、遠くの夕やけからすぐ近くに目線を移すと、群れを成して、ひらひら飛んでいる、麦わら色のトンボと、それらも映すような、穏やかに流れる、川がありました。
そこで、私も初めて、ひとつ俳句でもひねってみました。
「
夕やけや とんぼも染めて 水流す」
です。
今は、六つ時、奈良 法隆寺の鐘が鳴っている様子と
「いだいら観音の里」長興寺の鐘が、重なります。