いだいら観音の里に懸かる満月の月は、美しく厳かな月の様に感じます。
万葉の時代の「竹取物語」に出てくる、かぐや姫も、きっとこの様な、お月様からやってきたのでしょう。
「今は昔、竹を取り様々な用途に使い暮らしていた竹取りの翁(おきな)とその妻の
嫗(おうな)がいた。・・・」から始まる「竹取物語」は、慎ましくも善良な翁と嫗に、
金(光り輝く竹)と三寸(約9㎝)ほどの可愛らしい女の子が、授けられました。
この子が三か月ほどで、清らかで美しい かぐや姫に成長していきます。
男どもは、一目、かぐや姫を見ると求愛してしまいます。そして帝までもが、かぐや姫を思い人にしようとします。翁と嫗もこの良縁を取りまとめようとしますが、十五日の満月の夜、月の都より迎えの使者が現れ、数千人の阻止しようとする者達の前を、簡単に連れ去ってしまいます。
「いだいら観音の里」秋の月夜に、こんな物語を思い出しました。