※東風(こち)とは、春になっていく状態を表します。
私の幼児期、里を飛び回り、つくしをいっぱい採りました。それは、夕食のおかずにもなりました。
昭和35年の頃です。時は、日本の高度成長期の始まりの時期と重なります。
その後、中学、高校、大学と大きくなるにつれて、つくしのことは忘れていました。
毎年、観音の里に東風(こち)が吹き、同じようにつくしは、芽を出していたでしょうに・・・・
やがて、結婚して子供が生まれ、今度は、東風(こち)が吹くのを待って、子供といっしょに、つくしを採りに行きました。願いを込めてつくしを観ておりました。もはや、食卓には、上がるはずもありません。他においしい食べ物が、有り余るほどいっぱいありました。
そして平成23年3月、観音の里に東風(こち)が吹き、現われ出でたつくしを今は、祈りを込めて観ております。