日中は、爽やかな青空が広がり、気持ちが良い秋風の下、一面の彼岸花の赤の中に、柔らかな日差しを浴びたコスモスの花が咲いております。
夕暮れには、美しい「夕やけ 小やけ」が見られるようになりました。
いだいら観音の里の長興寺の釣鐘堂に赴くと、正岡子規の俳句が、浮かんでまいりました。
「
柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
という有名な歌です。私にとっての柿は、幼い頃、家の前に植えてあった柿木に登って、素手でもぎ取り、皮もむかずに、頬張った柿です。その柿の甘さと、夕やけが、妙に重なります。そして、遠くの夕やけからすぐ近くに目線を移すと、群れを成して、ひらひら飛んでいる、麦わら色の赤トンボと、それらも映すような、穏やかに流れる、川がありました。
長興寺の前を快い音を立てて流れる川です。
今は、六つ時、奈良 法隆寺の鐘が鳴っている様子と
「いだいら観音の里」長興寺の鐘が、重なります。