いだいら観音の里の「春からの贈り物(その3)」

「・・・かたき地面に竹が生え、地上にするどく竹が生え、まっしぐらに竹が生え、凍れる節々りんりんと、青空のもとに竹が生え、竹、竹、竹が生え・・・」
萩原朔太郎の「竹」の一節ですが、いだいら観音の里にある孟宗竹林も、また勢いよく竹が生えております。
いだいら観音の里の「春からの贈り物(その3)」


そして筍(たけのこ)がにょきにょきと顔を出しております。
いだいら観音の里の「春からの贈り物(その3)」


筍は、かつて、栄養学的には注目に値するものはなく、香りや歯ごたえを楽しむだけの食材という扱いをされていた時期がありました。他の野菜に比べると、カロリーが低くビタミン類も少ないのでそう考えられていました。
筍に含まれる栄養素で注目すべきは、なんといっても食物繊維です。食物繊維は消化吸収できないため定義としては「栄養素」には当たらないのですが、現代では炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素に続く「第6の栄養素」として摂取基準を設けられています。また、ミネラルではカリウムが豊富に含まれています。
他にも、筍に特徴的な成分として、チロシンがあります。アミノ酸の一種なのですが、水煮したものを冷やすと節の隙間などにつく白い粒状のものが、チロシンです。
まず食物繊維は、美容の強い味方です。歯ごたえがあり満腹感が得られるので過食の予防になります。便秘解消や大腸がんの予防、血糖値上昇の抑制、コレステロールの吸収を妨げ体外に排出する働きがあるので成人病の予防も期待できます。カリウムは身体の水分バランスを整えナトリウムを排出するので高血圧の予防、むくみの解消に効果的です。チロシンは、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の原料になります。ドーパミンは脳を活性化させ、やる気や目標を達成した時の満足感、興奮などを作り出します。ドーパミンが不足するとやる気や集中力が低下すると言われています。
春になると進学や就職などで新しい環境での生活が始まる方も多いのではないでしょうか。早くなじもうと焦りつつも、やる気が起きない、元気が出ない、仕事や勉強に集中できない…そんな「五月病」にはたけのこごはんがおすすめです。チロシンは脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖と組み合わせるとより効率よく吸収することができます。たけのこごはんは実に理にかなった料理でもあるようです
たけのこと五月病…時期的にも重なるこの巡りあわせは、日本の春からの贈り物かもしれません。最近簡単に栄養分を補給する方法としてサプリ、プロテイン等をとるようになっておりますが、体にとりましてとても危険であると思います。古代から伝えられております自然の恵みをいただいて、生きていくのが最善の方法です。



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